もう悩まない、POPの色使い!

みなさんがPOPの書き方で一番悩むのはもしかしたら色使いかも知れませんね。POP研修の時も、必ず何人かの方から「色のセンスがないからなぁ~」と嘆きに似たような声が聞こえて来ます(笑)
今日はそんな方たちに向けてブログを書きました。

題して「もう悩まない、POPの色使い!」。実は多くの人たちが悩む原因はたった一つ。それは色の使い過ぎでした。そこで、僕が提案するのが「パンダPOP」です!つまり、POPをシンプルに作ろう!です。

無印良品のシンプルPOP

 

POPの色使いは白と黒だけでいい

POPの色使いの難しさは「どの色を」「どこで、どう使えばいいか」が、わからないです。でも、それっていろいろな色のマーカーや色画用紙があるからですよね。ちょっと冷静に考えてみてください。本当にいろんな色が必要ですか?本当にそれで売れるんですか?それって商品より目立ちすぎていませんか?などなどを考えてみてください。

よくあるのがお店に新人が配属されてくると、色画用紙の束や8色マーカーセットを買ってきて「頑張ってね、期待しているよ!好きな色を使っていいよ」と言ってその場を去る店長はいませんか(笑)シンプルにPOPを作るためには、机の上に白と黒のペンと紙、ボードだけにしてください。

無印良品のシンプルPOP

 

無印良品のパンダPOPが目立つ

白と黒。色の世界ではモノトーンといわれています。最近ではこのモノトーンでPOPを作っているお店、企業が増えてきました。スーパーマーケットや花屋さんを想像してもらうとわかるのですが、商品や花が実にカラフルですよね。そこにカラフルなPOPを付けるよりかはモノトーンで作ったパンダPOPを付けた方が商品が目立つのです。

商品が主役で、POPはどこまで行っても脇役です。最近のお店や企業がパンダPOPを使い出したのは、この意味が浸透してきているのだと僕は思っています。

紙は別として、お店ではブラックボードを使っているところがあります。このブラックボードの素材ですが「塩ビ」と「アクリル」の2種類があります。どちらにもメリット、デメリットがあります。塩ビはマットなので高級感を訴求できますが、消しづらいがデメリット。反対にアクリルは光沢があって書きやすく消しやすいがメリットですが、少し安っぽいイメージになります。

ブラックボードマーカーは三菱鉛筆か、レイメイが有名ですが、白だけを考えるとレイメイがくっきり書けるのでおススメです。ただ、全体のクオリティを考えると三菱鉛筆がおススメです。

無印良品のシンプルPOP

 

「Simple is best」の本当の意味

「Simple is best」(シンプル・イズ・ベスト)という言葉をよく聞きます。この言葉の意味は「単純なのが一番」という意味ではありません。「もうこれ以上削るものがない状態」という意味です。

モノづくりの世界でも不必要なモノを削っていくと、自ずと必要なモノだけが残り「Simple is best」なモノが出来上がります。つまり、物事は複雑化すればするほど大切なモノが見えにくくなるということではないでしょうか。

POPの世界でもシンプルに作ることが求められる反面、スタッフのつぶやきがお客様の共感を呼び購買に結び付くケースが多いことも最後に付け加えさせていただきます(^^)

無印良品のシンプルPOP

執筆者
山口 茂(やまぐち・しげる)

株式会社山口茂デザイン事務所 代表取締役
「POPの学校」主宰
食品商業コトPOP大賞審査委員長/POP広告クリエイター技能審査試験中央委員/ 日本コトPOPマイスター協会副会長/宣伝会議講師 「お客様のメリットを伝えるコトPOPの提唱者」であり、日本でただ1人のコトPOPの指導者。35年以上にわたりPOPの制作指導・コンサルタンティングに従事。これまでの研修で約29万人もの受講者を持ち、全国で売れるお店をプロデュースしている。毎月開講している「コトPOP勉強会」は日本全国から参加者が集まり、常に満員御礼。キャンセル待ちが出る勉強会となっている。著作に『コトPOPを書いたら あっ、売れちゃった!』『POP1年生』『コトPOPの効果検証』『POPの教科書』(いずれもすばる舎)がある。