店は商品を売るところではなく劇場である!

主役は商品、POPは脇役

僕は演劇の評論家ではありませんが購買体験を「演劇」として捉えています。
お店は劇場、店内の各売場が舞台、主役は商品で、POPは脇役。販売員は演出家で、お客様が観客です。今回はあえて脇役と、演出家に焦点を当ててみました。演劇において、もちろん主役の演技は重要ですが、それ以上に公演の人気を左右するのは、個性豊かな脇役だったりします。
店舗を演劇として捉えてみる

 

お客様はいつだって感動を求めている

主役(商品)が引き立つのは、脇役(POP)がいい仕事をしているからです。

POPを付けてみた際には、舞台を見回して、ちゃんと名脇役としての働きを果たしているか?といった確認をしてみてください。もし、スポットライトの位置が脇役(POP)に寄り過ぎていたら、主役(商品)に向けて修正しましょう。このバランス感覚こそが「あの演出家ならでは」のお店づくりにつながるのです。
よく主役(商品)より脇役(POP)が目立っているお店を見ることがあります。過去も現在も、そして未来のどこまでいってもPOPは脇役です。

主役は商品、脇役はPOP

 

年間52週の公演を行う

スーパーマーケットでも、コンビニでも、年間52回の公演を行いましょう。

多くのスーパーマーケットは毎週異なる企画を、つまり年間で52回も企画を回しています。それらが全て同じ演出で、セリフも同じ劇だと観客(お客様)も飽きてしまいます。たまには劇場(お店)の入り口を装飾してみたり、舞台装置(什器)を入れ替えたり、ダブル主役(商品)にしてみたりしてください。

ここで大事なことはお客様に楽しんでもらうためには、自分自身も楽しむことです。演出に終わりはありません。時には主婦代表のパートナーさんにもアドバイスをもらうのもいいと思います。

スタンディングオベーション

 

パートさんが演出家になってみたら

店長歴7年の男性と主婦歴35年のパートさんはどちらが偉いか?

先週、そのな質問を店長とパートさんに聞いてみました(笑)
答えはお二人ともパートさんでした!!!役職では当然店長の方が上ですが、スーパーマーケットでは主婦であるパートさんの方が主婦ならではのネットワークも持っているので生活における知識・知恵が豊富です。例えば手抜き料理でも見栄えをよくする方法を知っているとかです(^^)
ということは店舗運営や予算管理といったマネジメントは店長が行い、現場の演出はパートさんでいいと思っています。

 

スポットライトがあたった舞台

 

コトPOPをYouTubeで学ぼう!

「POPの学校」は現在、毎日YouTubeでPOPに関する情報や手書きPOPの書き方、デジタル手書きの作り方などを配信しています。コトPOPのことを本以外でも学びたい方、研修後もっとコトPOPのことを知りたい方はぜひ見てくださいね。よかったらチャンネル登録もよろしくお願いします(^^)

https://www.youtube.com/@kotopop

 

執筆者
山口 茂(やまぐち・しげる)

株式会社山口茂デザイン事務所 代表取締役
「POPの学校」主宰
食品商業コトPOP大賞審査委員長/POP広告クリエイター技能審査試験中央委員/ 日本コトPOPマイスター協会副会長/宣伝会議講師 「お客様のメリットを伝えるコトPOPの提唱者」であり、日本でただ1人のコトPOPの指導者。35年以上にわたりPOPの制作指導・コンサルタンティングに従事。これまでの研修で約29万人もの受講者を持ち、全国で売れるお店をプロデュースしている。毎月開講している「コトPOP勉強会」は日本全国から参加者が集まり、常に満員御礼。キャンセル待ちが出る勉強会となっている。著作に『コトPOPを書いたら あっ、売れちゃった!』『POP1年生』『コトPOPの効果検証』『POPの教科書』(いずれもすばる舎)がある。